生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

2009年02月

 鼻炎とは鼻粘膜の炎症である。病理組織学的に見ると鼻粘膜の炎症には、化膿性炎症とアレルギー性炎症が多い。血管からの血漿成分の滲出、浮腫、細胞浸潤、分泌亢進を特徴としている。この鼻炎の中でアレルギー性炎症として起こるのがアレルギー性鼻炎である。
 アレルギー性鼻炎は、鼻粘膜のI型アレルギー性疾患なので、アレルギー素因(アレルギーの既往歴、合併症、家族歴)を持っていることが多い。臨床的には、発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉を主症状とする。アレルギー性鼻炎の別名として鼻過敏症、鼻アレルギー、花粉症などが用いられている。

 アレルギー性鼻炎は好発時期から通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎とに分けられる。前者の多くは室内塵、ダニのアレルギーで、後者のほとんどは花粉特にスギ花粉アレルギーつまり花粉症である。季節性アレルギー性鼻炎が花粉症であるが、アレルギー性鼻炎=花粉症ではないことに注意が必要である。

 アレルギー性鼻炎の全国的な有病率は、通年性アレルギー性鼻炎が約10~20%、花粉症は約10~15%といわれている。通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の有病率は近づき、両者の合併患者も増加傾向にある。

 アレルギー性鼻炎の重症度は、その3つの主症状であるくしゃみ、鼻漏と鼻閉の強さの組み合わせで決められる。鼻閉型の重症例については注意が必要である。鼻中隔弯曲症などの形態異常が明らかな症例、鼻閉に対する薬物療法の効果が不十分な症例に対して手術が行われるからである。また鼻中隔弯曲症の他に慢性副鼻腔炎を合併していることもある。

 したがって新契約保険の引受査定においては、アレルギーの原因、加療期間、服用薬剤、通年性か季節性かを確認することが重要である。一部の保険会社では花粉症は告知不要の疾患とされているが、通年性アレルギー性鼻炎その他を合併し、手術給付の請求が起こる可能性に十分な注意が必要であろう。

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クリッペル・トレノニー・ウェーバー症候群とも呼ばれ、生まれつき四肢の広い範囲にできる血管腫があり、その側の四肢の肥大や長さの延長がみられます。そのため成長とともに脚の長さがだんだん違ってきて歩行障害などが起きます。また骨や軟骨の肥大、血管の異常もみられる疾患です。

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咽頭は鼻腔や口腔の奥にある管状の部分で、咽頭扁桃や口蓋扁桃、口蓋垂などが存在しており、ここに起った炎症を指します。ウイルスや細菌の感染による急性咽頭炎、煙草の煙・飲酒などにより慢性的に咽頭が刺激を受けることによって起こる慢性咽頭炎、梅毒トレポネーマ・結核菌・ジフテリア菌などの特殊な病原体が原因の咽頭特殊感染症に分けられます。

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