生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

2010年02月


 片側あるいは両側の腎臓に1~数個の嚢胞ができる病気で、加齢とともに頻度は増加します。通常は無症状でほとんど問題になりませんが、孤立性の大きな嚢胞ができると圧迫症状がみられ、時に外科的治療が必要になる場合があります。腎盂の近くにできたものは水腎症を来しやすく、水腎症を起こすと尿が停滞し、腎盂は腫大して嚢状となります。腫大した腎盂により腎実質が圧迫され、腎機能障害が生じることがあります。



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 大腿静脈・膝窩静脈など、体の深部にある静脈に血栓が出来る病気で、肺血栓塞栓症の主な原因となっています。静脈血の鬱帯や血液凝固の亢進が原因となるため、飛行機内などで長時間同じ姿勢を取り続ける為に発症するエコノミークラス症候群(旅行者血栓症)などでも引き起こされます。



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心房の興奮回数が1分間に240~450回で、電気的興奮が主に右心房内を大きく旋回する頻拍をいいます。症状としては動悸、胸部の違和感、胸が躍るように感じる、胸の痛みなどがあります。ほとんどが器質的な心臓病が原因で起こるため、まず原因に対する治療が必要となります。また、心房の興奮が頻回に心室に伝わると、心室性頻拍症と同様になる為、心室細動に移行する恐れがあります。

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 造精機能を持つ睾丸が炎症を起こした状態をいいます。症状は寒気・高熱、陰のうが腫れ熱感を持ち、睾丸も強い痛みを感じさらに圧痛も腹部までおよぶ程激しいものになります。安静にして睾丸を吊って固定すれば痛みは和らぎ、細菌感染の場合は抗生物質が効果的です。おたふくかぜによる睾丸炎の場合は睾丸の萎縮が起きる事があり、左右両方の睾丸が萎縮すると、無精子症という不妊症の原因となります。



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 末梢血中好酸球数が450/μLを超えるものを指し、アレルギー性の皮膚炎や喘息、鼻炎・花粉症のほか、寄生虫感染症、膠原病、薬剤アレルギーなどで増加が見られます。一般にアレルギー反応において好酸球を引き付ける因子が出て、骨髄からの好酸球放出が増加するほか、骨髄における好酸球産生も増加するものと考えられています。特に原因不明の高度の好酸球増加症は好酸球増加症候群と総称されます。



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 血液中の中性脂肪が150ml/dlを超えた状態をいいます。とくに自覚症状はありませんが、中性脂肪が極端に増えると、脂肪肝・肥満・糖尿病・動脈硬化・痛風などの症状を引き起こす原因となります。



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声帯のある声門、それより上を声門上、下を声門下と呼び3つの部位に分類されます。がんの発生部位により初期症状は異なりますが、最も多い声門がんでは、ほぼ全ての症例で嗄声がみられ、進行すると声門が狭くなる為に呼吸困難症状が現れ、血痰が出る場合もあります。喫煙との因果関係が明らかになっている他、飲酒歴や胃食道逆流症の影響も指摘されています。

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 血液中に細菌が存在する状態をいいます。泌尿生殖器・静脈内カテーテルの留置や、また歯科・消化管・泌尿生殖器・創傷の治療その他の手術や処置の後に自然発生的に生じます。特に心臓弁膜異常を伴う場合は心内膜炎などの転移性感染症を引き起こすことがあります。また、一過性菌血症はしばしば無症候性ですが、発熱の原因となることもあります。



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 生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されることです。金属が、消化器、呼吸器、皮膚から体内に吸収されると、その量、種類や結合物質によって、肝・腎障害をはじめ、神経・造血器・消化器・呼吸器・皮膚・骨など、さまざまな障害を起こします。食中毒や強力な毒物を取り入れることで起こる急性中毒と、長期間にわたって少量ずつ体内に化学物質が貯留することで起こる慢性中毒に分けられます。



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1つ以上の憩室に感染症や炎症が起きた状態で、憩室の分類としては先天性と後天性のものがあり、後天性は内圧により押し出された圧出性憩室とや外部の瘢痕などにより牽引された牽引性憩室などに分類されます。典型的な憩室炎は左側の下腹部に圧痛があり、発熱します。また、高齢者で特に免疫系を抑制するコルチコステロイド薬やその他の薬を服用している人は、重篤化の危険が高くなります。

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