生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

2011年03月


 中耳根本手術では病巣除去のため聴力を犠牲にしますが、鼓室形成術では病巣を除去するとともに耳小骨を再建し聴力を保存します。再建には摘出したきぬた骨や耳介軟骨等を用います。再生の方法によりⅠ型からⅤ型に分類されます。


適応疾患 慢性中耳炎 真珠腫性中耳炎  保険点数 31300点



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脳神経の一つである動眼神経が障害を受けて起こる疾患で、脳動脈瘤や脳腫瘍、糖尿病、高血圧が原因として挙げられます。動眼神経には運動神経成分と副交感神経成分があり、運動神経が損傷を受けると眼瞼下垂、斜視、復視、副交感神経が損傷を受けると瞳孔拡散、光反射の喪失などの症状が見られます。

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胃腸や肝臓、膵臓など消化吸収に関わる内臓に酸素や栄養を送る上腸間膜動脈が突然に詰まる病気です。発症直後に激しい腹痛や腹膜炎となり、進行すると腸閉塞症状(嘔吐・脱水症状・血便など)が起り、さらに症状が進むと、顔面蒼白、手足の冷感、脈や呼吸が速く弱くなるなどのショック状態となり、早期に手術をしないと死に至る事もあります。

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肘の周囲に痛みが出てきたものをいい、テニスプレーヤーが肘を完全に伸ばしたままバックハンドでボールを打ったり、頻回な前腕部の回旋運動を行ったりしたときに起ります。その他に手をよく使う仕事をしている人にもおきます。肘外側に痛みや圧痛が生じ、ラケットが握れなくなるだけでなく、タオルしぼりなど日常生活動作にも障害をきたしますが、腫脹はなく関節可動域も正常のままです。

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全身に血液を送る大血管の一部が瘤のように膨らんだ状態をいいます。動脈瘤は血管の老化現象である動脈硬化が原因です。特に動脈硬化を促進する原因(高血圧、糖尿病、高コレステロール血症)などの持病がある場合は動脈瘤発症の可能性が高くなります。多くは破裂しない限り症状がありませんが、破裂すると激しい痛み、呼吸苦、意識障害などを起こし、出血性ショックにより突然死することもあります。

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子宮切開によって胎児を取り出す手術方法です。常位胎盤早期剥離、前置胎盤、児頭骨盤不均衡、子宮筋腫核出などの婦人科手術既往がある場合、骨盤位・横位・顔位・頤位などの胎位異常がある場合などや、分娩中の子宮破裂の頻度が高くなるために既往帝王切開後妊娠の場合にも行われます。

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横隔膜や胸膜に入り込んだ子宮内膜様の細胞が月経時に剥脱し、月経開始前後に気胸を起こす病気です。原因は、卵管の子宮内膜症が月経周期に一致して脱落する際に腹腔内に入った空気が、同じく横隔膜に迷入した子宮内膜症の組織が脱落してできた孔から胸腔内に入るためと考えられています。症状は、呼吸困難や胸痛です。

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 アテロームなどで狭窄した心臓を栄養する冠動脈を拡張し、血流の増加をはかる手術です。下肢つけ根の大腿動脈や腕の橈骨動脈、上腕動脈からカテーテルを通し治療を行います。PTCAの方法としてはバルーンと呼ばれる風船で冠動脈を広げる方法、ステントを留置し冠動脈を広げる方法、ローターブレードで冠動脈を広げる方法、DCA(円筒系カッター)で冠動脈と広げる方法などがあります。



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 中耳の炎症を止めるため、中耳粘膜の完全な除去を目的とした手術です。耳小骨はあぶみ骨を残し除去して病巣と粘膜を取り除きます。聴力を犠牲にするため広範な骨破壊をもつ真珠腫性中耳炎などに適応される他は単独ではほとんど行われなくなりました。最近では鼓室形成術と併用して行われます。





適応疾患 慢性中耳炎 真珠腫性中耳炎 保険点数 18200点



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眼の強膜(白目)表面を覆っている結膜組織が過剰に増殖し、角膜(黒目)に覆いかぶさってくる病気です。原因は不明ですが、南方や海辺など紫外線の強い地域に住む人や漁師などに多く見られることから、紫外線刺激が誘因と考えられています。50歳代以上の中高年者に多くみられ、進行すれば乱視や視力低下を引き起こします。手術で切除可能ですが特に若年層に再発が多くみられます。そのため再発予防として、翼状片の切除後に有茎・遊離結膜弁移植、0.04%マイトマイシンCの塗布、羊膜移植などが試みられます。手術の時期は、翼状片の角膜への進入程度と視機能低下の程度などを総合的に判断して決定されます。

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