生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

2014年06月

眼窩脂肪ヘルニア(脂肪脱)とは、加齢などによって、眼窩の中にある筋肉や靭帯が弱くなり、本来は眼球の後ろ側にあるはずの脂肪の組織(眼窩脂肪)が、弱くなった隙間から目の前の方に出てきてしまう疾病です。症状は、眼のゴロゴロとした異物感です。治療は、結膜切開をして脱出した脂肪を切除します。

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顕微鏡下精巣内精子採取手術(Microdissection Testicular Sperm Extraction; MDTESE)とは、陰嚢を0.5cm~1.0cmほど切開し、精巣内の精細管と呼ばれる小さな組織を採取する方法である。全身麻酔をかけて顕微鏡下に精巣内をくまなく観察する方法を特にMDTESEという。これは少しでも多くの精子を採取するために行われる。非閉塞性無精子症では、この手術を行ってみないと精子を採取できるかどうかは分からない。ふつうは日帰り手術で行われる。この手術により男性ホルモンが非常に低値となることがあるため、片側の睾丸に対してのみ手術が行われる。

医科診療報酬点数表では、組織試験採取、切採法(精巣)(睾丸)D417-11に該当させているようである。本手術の保険適応はない。

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異型脂肪腫様腫瘍(atypical lipomatous tumor)は、脂肪肉腫の中で最もよく見られる低悪性度腫瘍である。別名、高分化型脂肪肉腫(well differentiated liposarcoma)や異型脂肪腫などとよばれている。50歳代が好発年齢で、大腿深部を始めとする四肢に多く発生する。肉眼的には黄色から白色の分葉化した腫瘍で、良性腫瘍の脂肪腫との鑑別困難なことがある。異型脂肪腫様腫瘍の約10%が悪性化して脱分化型になるとの報告もあるが、完全に手術切除できれば再発もなく予後良好の腫瘍である。

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