生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

2015年07月

MRSA肺炎とは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が感染しておこる肺炎である。MRSAは、ふつうの黄色ブドウ球菌に比べて毒力が低く、多種の抗生物質に耐性を示すようになるにつれて、さらに毒力が低下する。健常人では問題を起こすことはないが、悪性腫瘍の罹患や治療により免疫能が低下して人では重症化し致死的である。

 

MRSAが無菌環境である血液などから検出された際にはMRSA感染症起因菌と容易に判断できるが、喀痰などの呼吸器検体は採取の際に口腔内を経由するため、常在菌の汚染の影響がみられたり、感染を起こしているものの感染症には至っていない定着菌の可能性も高く、MRSA感染症の起因菌であるかの判断は非常に難しい。

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真正多血症(polycythemia vera; PV)とは、造血幹細胞の後天的遺伝子異常による骨髄の増殖で、血液中の赤血球数が増加する疾患です。骨髄増殖性疾患の1つです。白血球や血小板も増殖していることが多く、循環血液量も増えます。
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 慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome; CFS)とは、日常生活が著しく損なわれるような強い疲労感を主症状とし、その疲労感が少なくとも6ヶ月以上持続ないし再発を繰り返す病態です。慢性疲労症候群は、筋痛性脳脊髄炎(myalgic encephalomyelitis; ME)、 ウイルス感染後疲労症候群(post-viral fatigue syndrome; PVFS)とも呼ばれます。  鑑別疾患としては、悪性腫瘍、自己免疫疾患、急性・慢性細菌感染症、HIV感染症、慢性炎症性疾患、神経筋疾患、内分泌疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患などがあります。これらの疾患がないときに慢性疲労症候群と診断されます。慢性疲労症候群の診断基準については、下記のサイトを参照してください。

 慢性疲労症候群(CFS)臨床診断基準

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