生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

婦人科

乳管内乳頭腫(intraductal papiloma)は、乳管のなかにできる良性の上皮性腫瘍です。乳管内乳頭腫は乳頭近くの比較的太い乳管に発生することが多く、乳頭から血性の分泌液が出る原因となることがあります。

30代後半〜50代の女性に多い良性腫瘍です。研究によると、2〜3%の女性が乳管内乳頭腫を発症すると言われており、両乳房に同時に発症することもあります。

自覚症状として乳頭からの分泌があります。分泌液は透明や薄い黄色、あるいは血液が混じった赤や褐色です。乳頭周辺に腫瘍ができる中枢型乳頭腫(孤立性乳管内乳頭腫)は単発で現れやすく典型的ではありますが、末梢型乳頭腫(乳管内乳頭腫症)は多発するケースがよくあります。
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腹膜播種性平滑筋腫症は、腹腔内に播種性に多発する平滑筋腫が認められる稀な疾患で、病理組織学的には良性平滑筋腫であるが、再発を繰り返して消化管を巻き込んだ合併症を起こすこともある。
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液体が卵巣内にたまった貯留嚢胞と呼ばれるものと、腫瘍に分けらるます。貯留嚢胞は数カ月以内に自然に消えることが多いようです。一方、腫瘍は嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍に分けられ、卵巣にできた良性の嚢胞性腫瘍を卵巣嚢腫と呼び、機能性嚢腫・単純性嚢腫・皮様嚢腫・子宮内膜症性嚢腫などがあります。自覚症状がないことが多いですが、卵管や靭帯等で茎捻転を起こした場合は激烈な痛みが出現します。

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膣や外陰部に炎症を起こす膣炎または外陰膣炎の一種で、真菌類のカンジダ菌の感染によって起こります。主症状は、外陰部の強度のかゆみやただれで、悪化すると白いチーズ状のおりものが増加し膣内から膣口、小陰唇や大陰唇にまで拡がることもあります。原因として、抵抗力・免疫力の低下、抗生物質使用による体内の細菌叢の乱れ、肥満、糖尿病・妊娠・避妊薬によるホルモンバランスの乱れなどがあります。治療には膣錠やクリームが用いられます。外陰部を清潔に保つこと、膣内の細菌バランスを整えるなどが必要となります。免疫力低下により再発しやすく、細菌バランスの乱れによっては慢性になる場合もあります。

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骨盤内感染症(Pelvic inflammatory disease : PID)とは、子宮・卵管・卵巣、その周囲にある腹膜や結合組織に起こる感染症の総称です。原因菌として、以前は結核菌や淋菌が多く、近年では大腸菌類・クラミジア感染によるものが増加しています。急性の場合は、強度の腹痛・腰痛・悪寒戦慄を伴う発熱が主症状であり、慢性期に移行すると骨盤内の臓器が癒着を起こし、下腹部痛・腹部膨満感・下痢・便秘などがみられます。炎症のため卵管が閉塞し、卵管内に膿が貯留すると、不妊症の原因になります。

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卵巣ホルモンの変動に長年さらされた乳腺に生じた経年変化(老化)を総称したものをいいます。病理組織学的には、乳腺間質の線維化、部分的な乳腺の増殖という相反する2つの現象が観察されます。嚢胞が同時に存在することも多く、嚢胞も乳腺症の一種です。

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乳腺内に乳汁がたまり炎症を起こす事を乳腺炎といい、出産後2週間以内に起こる事が多く、授乳期の細菌感染によって起こる乳腺やその周辺の炎症のことをいいます。授乳中の乳汁のうっ滞によるもので、化膿例では切開手術が行われることがあります。

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 生殖可能年齢の女性のうち約20%の割合で発生する疾患で、悪性化するのは0.5%以下と極めて稀です。30代~40代に好発するといわれてます。子宮筋層を形成する平滑筋が腫瘍化します。半数以上が無症候性ですが、月経過多、月経困難症、不正出血、不妊、鉄欠乏性貧血、便秘、腰痛など多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。

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更年期を過ぎるころになると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少のため、腟の粘膜がやや薄くなり萎縮してくるため、充血を起こして出血したり、傷がつきやすくなった状態をいいます。症状としては、黄色っぽいおりものがつづき、時には少量の出血を伴います。 

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受精卵が正常な着床部位以外に着床発育した状態で、時には激烈な下腹痛および出血性ショック症状を呈する疾患です。受精卵の着床部位により、卵管妊娠・卵巣妊娠・腹腔妊娠・頸管妊娠などに分類されており、もっとも頻度が高いのが卵管妊娠です。下腹部痛・性器出血・嘔吐などの腹膜刺激症状、胃腸症状などが起こります。

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