泌尿器
特発性後腹膜線維症
頚椎症性脊髄症
菲薄化基底膜病
ときとして軽度の蛋白尿や肉眼的血尿が認められるものの、大部分の患者は無症候性である。人間ドックや職場の定期健診などの尿検査において、尿沈渣で赤血球5/HPF以上の顕微鏡的血尿が偶発的に発見されることが多い。典型例では腎機能は正常であるが、少数の患者が原因不明の進行性の慢性腎臓病を発症する。菲薄基底膜病では、通常抗GBM抗体が存在する。長期予後は良好であり、治療の必要性がないことが大部分である。
なお、血尿のみを呈するIgA腎症などの慢性糸球体腎炎と鑑別診断するために腎生検が行われる。
精巣原発悪性リンパ腫
顕微鏡下精巣内精子採取手術
顕微鏡下精巣内精子採取手術(Microdissection Testicular Sperm Extraction; MDTESE)とは、陰嚢を0.5cm~1.0cmほど切開し、精巣内の精細管と呼ばれる小さな組織を採取する方法である。全身麻酔をかけて顕微鏡下に精巣内をくまなく観察する方法を特にMDTESEという。これは少しでも多くの精子を採取するために行われる。非閉塞性無精子症では、この手術を行ってみないと精子を採取できるかどうかは分からない。ふつうは日帰り手術で行われる。この手術により男性ホルモンが非常に低値となることがあるため、片側の睾丸に対してのみ手術が行われる。
医科診療報酬点数表では、組織試験採取、切採法(精巣)(睾丸)D417-11に該当させているようである。本手術の保険適応はない。
膀胱炎
膀胱炎とは、主として細菌感染によって生じる膀胱粘膜の炎症をさします。尿道からの上行性感染で、大腸菌などのグラム陰性桿菌によって起こります。性的活 動期の女性に多くみられます。性交が膀胱炎の原因になるのは、性交によって尿道が傷つき細菌が尿道を登って膀胱に侵入しやすくなるからです。
尿管結石(ニョウカンケッセキ)
腎盂から尿管、膀胱へと続く尿路のなかにカルシウムやシュウ酸、尿酸などを主成分にして結石ができるものをいい、発症部位により腎結石・尿管結石・膀胱結石に分けられます。肉眼的血尿、脇腹の痛み、下腹部痛などがおこりますが、X線検査・超音波検査などで偶然発見される自覚症状の無い場合もあります。排石剤等の服用により排石をするか、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を行います。
精索静脈瘤(セイサクジョウミャクリュウ)
腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流することにより、陰嚢上部での蔓状静脈叢が怒張・うっ血している状態をいい、男性不妊症の重要な原因の一つとして考 えられています。左側の精巣静脈は右に比べて長く、左の腎静脈へと合流していきますが、還流障害から静脈血が停滞・逆流すると、精索静脈がこぶ状に 拡張してきます。その原因としては静脈弁の先天性不全や左腎静脈が上腸間膜動脈により圧迫されることが考えられており、静脈のうっ血により陰嚢内の温度が 上昇し、精巣の発育不全、精子の形成不全を引き起こします。
前立腺肥大症(BPH)(ゼンリツセンヒダイ)
50歳以上の男性に生じ、排尿障害(排尿遅延・尿失禁・夜間頻尿)などをもたらし、膀胱結石や水腎症の原因となりま。肥大が高度になると尿閉(まったく排尿できない状態)や、腎不全の原因となることもあります。