生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

泌尿器

紫斑病性腎炎は、血管性紫斑病(IgA血管炎)の一症状としてみられる腎炎で、紫斑病に伴い、糸球体にIgAが沈着することを特徴とする糸球体腎炎です。紫斑病性腎炎の病因は未だ明らかにされていませんが、IgAを含む免疫複合体の関与する全身疾患とされています。IgA腎症と同様に、IgA1の糖鎖異常が指摘されています。
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特発性後腹膜線維症(idiopathic retroperitoneal fibrosis)は、IgG4関連疾患の1つで、後腹膜の非化膿性炎症により周囲の脂肪組織が線維で置換され、次第に周辺臓器への圧迫症状が出現する病態である。IgG4陽性形質細胞との強い関連があることが示されている。
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頚椎症性脊髄症とは、加齢により起こる頚椎の骨の変形や椎間板の膨隆が原因の頚椎症により、頚部脊柱管が狭窄することで起こる脊髄の圧迫である。箸の使用や字を書くことが上手くできないなどの手の巧緻運動や、歩行で脚がもつれるなどの足の運動傷害などの症状を呈する。転倒などの軽微な傷害で、四肢麻痺となる可能性もあり注意が必要である。
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 菲薄化基底膜病(thin glomerular basement membrane disease)とは、腎臓の糸球体基底膜の異常により主に血尿を呈する疾患で、家族性・遺伝性があることから良性家族性血尿(糸球体基底膜菲薄化症候群; thin glomerular basement membrane syndrome)ともいう。本疾患は、糸球体基底膜のびまん性菲薄化であり、健常者では300〜400nmの幅であるものが150〜225nmとなる。

  ときとして軽度の蛋白尿や肉眼的血尿が認められるものの、大部分の患者は無症候性である。人間ドックや職場の定期健診などの尿検査において、尿沈渣で赤血球5/HPF以上の顕微鏡的血尿が偶発的に発見されることが多い。典型例では腎機能は正常であるが、少数の患者が原因不明の進行性の慢性腎臓病を発症する。菲薄基底膜病では、通常抗GBM抗体が存在する。長期予後は良好であり、治療の必要性がないことが大部分である。

  なお、血尿のみを呈するIgA腎症などの慢性糸球体腎炎と鑑別診断するために腎生検が行われる。
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精巣原発リンパ腫(primary testicular lymphoma,PTL)は、非常にまれな疾患で、対側精巣・中枢神経(CNS)・節外再発を来たしやすく予後不良です。精巣摘出術後、リンパ腫の治療が必要となります。
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顕微鏡下精巣内精子採取手術(Microdissection Testicular Sperm Extraction; MDTESE)とは、陰嚢を0.5cm~1.0cmほど切開し、精巣内の精細管と呼ばれる小さな組織を採取する方法である。全身麻酔をかけて顕微鏡下に精巣内をくまなく観察する方法を特にMDTESEという。これは少しでも多くの精子を採取するために行われる。非閉塞性無精子症では、この手術を行ってみないと精子を採取できるかどうかは分からない。ふつうは日帰り手術で行われる。この手術により男性ホルモンが非常に低値となることがあるため、片側の睾丸に対してのみ手術が行われる。

医科診療報酬点数表では、組織試験採取、切採法(精巣)(睾丸)D417-11に該当させているようである。本手術の保険適応はない。

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膀胱炎とは、主として細菌感染によって生じる膀胱粘膜の炎症をさします。尿道からの上行性感染で、大腸菌などのグラム陰性桿菌によって起こります。性的活 動期の女性に多くみられます。性交が膀胱炎の原因になるのは、性交によって尿道が傷つき細菌が尿道を登って膀胱に侵入しやすくなるからです。

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腎盂から尿管、膀胱へと続く尿路のなかにカルシウムやシュウ酸、尿酸などを主成分にして結石ができるものをいい、発症部位により腎結石・尿管結石・膀胱結石に分けられます。肉眼的血尿、脇腹の痛み、下腹部痛などがおこりますが、X線検査・超音波検査などで偶然発見される自覚症状の無い場合もあります。排石剤等の服用により排石をするか、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を行います。

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腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流することにより、陰嚢上部での蔓状静脈叢が怒張・うっ血している状態をいい、男性不妊症の重要な原因の一つとして考 えられています。左側の精巣静脈は右に比べて長く、左の腎静脈へと合流していきますが、還流障害から静脈血が停滞・逆流すると、精索静脈がこぶ状に 拡張してきます。その原因としては静脈弁の先天性不全や左腎静脈が上腸間膜動脈により圧迫されることが考えられており、静脈のうっ血により陰嚢内の温度が 上昇し、精巣の発育不全、精子の形成不全を引き起こします。 

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50歳以上の男性に生じ、排尿障害(排尿遅延・尿失禁・夜間頻尿)などをもたらし、膀胱結石や水腎症の原因となりま。肥大が高度になると尿閉(まったく排尿できない状態)や、腎不全の原因となることもあります。

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