生命保険のための医学知識

生命保険会社の査定医長として、日々の
引受と支払査定業務で気付いた病気と
手術について解説して行きます。
最近の担当保険分野は、生命保険、
医療保険、がん保険、団体医療保険、
海外旅行保険、医師賠償責任保険、
就業不能団体信用費用保険など多岐に
わたっています。
査定者や営業担当者の医学知識の向上に
少しでもお役に立てれば幸いです。

代謝

糖尿病による細小血管障害の1つです。手足を動かすなどの働きをする運動神経、痛さや冷たさなどを感じる働きをする知覚神経、内臓や発汗の調節などを行う自律神経などの末梢神経が侵されます。そのため、しびれ・冷感・痛みなどの症状が出てきて、進行すると感覚が麻痺して熱傷や外傷の痛みにも気づかなくなり、足に潰瘍ができたりして壊疽を引き起こしたりします。

糖尿病細小血管障害には次の3つがあります。
  1. 糖尿病神経障害
  2. 糖尿病網膜症
  3. 糖尿病腎症
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糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で、網膜の血管が閉塞したり、出血を起こしたりして、黄斑部が障害されると視力低下を起こす病態です。最悪の場合には、眼底出血や網膜剥離を起こして失明することもあります。糖尿病の細小血管障害の1つです。網膜の血管は細いため、糖尿病による高血糖の影響を受けやすく、長期間にわたり高血糖状態が続くと、眼底の点状出血、斑状出血、毛細血管瘤や白斑などを起こします。糖尿病網膜症は眼底所見から次の3期に分類されます。
  1. 単純糖尿病網膜症
  2. 増殖前糖尿病網膜症
  3. 増殖糖尿病網膜症

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糖尿病の細小血管障害の1つです。糖尿病に罹患して10年以上経過し、コントロールが不良で高血糖状態が長い間続いていると、腎臓にある糸球体の毛細血管に障害が起きてきます。そのため腎機能が低下して、尿蛋白、高血圧やむくみ(浮腫)など腎炎と似た症状が起こり、進行すると腎不全から尿毒症となり人工透析治療が必要になります。

糖尿病の細小血管障害には次の3つがあります。
  1. 糖尿病神経障害
  2. 糖尿病網膜症
  3. 糖尿病腎症

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テイサックス病(Tay Sachs disease)とは、ライソゾーム病の1つで脳の神経細胞に多いガングリオシドが過剰に蓄積される疾患です。 GM2 ガングリオシドーシスB異型ともいいます。ガングリオシドとは、細胞の膜などにある糖脂質です。 患者は、進行性の精神運動障害や眼底黄斑部のチェリーレッド斑(cherry-red spot)などの症状を呈します。視覚障害、聴覚障害、 筋委縮、運動障害、言語障害などさまざまな症状を呈します。有効な治療法はなく、対症療法が主体です。

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先天性銅代謝異常により、肝・脳・腎・眼など体内諸臓器に銅が沈着することによって生じる病態を言います。13番染色体長腕にある銅輸送の遺伝子異常で、 常染色体劣性遺伝です。肝臓における血清蛋白の一つであるセルロプラスミンの合成障害が原因です。セルロプラスミンは肝臓で銅と結合して血中へ排出する蛋 白質です。20歳代までの若年層に振戦、錐体外路症状としての動作緩慢、構音障害、歩行障害、知能低下がおこります。

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遺伝をつかさどる核酸の素材となるプリン体は、過剰になると肝臓で尿酸に変えられて、腎臓から体外へ排泄されます。尿酸が作成から排泄までの過程で異常が起こり、体内に尿酸が蓄積すると高尿酸血症になります。原因としては、遺伝的要素、環境因子としてプリン体を多量に含む食品の過剰摂取や過食があげられます。痛風は関節に尿酸の結晶がたまり、急性関節炎の発作が引き起こされた状態です。

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成人にみられる軽度の黄疸を示す疾患群で、肝細胞による間接型ビリルビンの取り込みからグルクロン酸抱合を行うまでのいずれかの部位の障害が原因となります。黄疸の程度は軽度にとどまり、常染色体優性の遺伝形式を示す頻度が高いのですが、原因が単一でないため遺伝形式もさまざまです。黄疸は軽度(3mg/dlまで)にとどまり、日常生活に何ら支障はないので、治療はとくに行いません。

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 血中のコレステロールやトリグリセリドが増加する状態を高脂血症といいます。原因としては、高カロリー高脂肪の食事と運動不足などの生活習慣、遺伝性の高脂血症(家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性型高脂血症)などがあり、特に家族性高脂血症では狭心症や心筋梗塞を起こす危険が非常 に高くなっています。
 近年では、本疾患を脂質異常症とよぶようになってきました。

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尿酸の結晶が腎臓に沈着して、尿細管の働きを阻害し、腎臓の働きが低下する病気です。尿量・尿淡白の増加がおこり、進行すると腎不全に陥り生命に関わることもあります。また、腎盂腎炎を併発すると発熱、腰痛などが起き、尿酸の結晶が尿細管の中で固まって尿路結石ができると激しい痛みを引き起こします。

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家族性高脂血症(Familial Hypercholesterolemia;FH)とは、遺伝的にLDLコレステロールが高くなる病気です。片親からの遺伝を「ヘテロ」、両親双方から遺伝した重症例を「ホモ」と呼びます。血中のコレステロール値が子供の時から高くなり、正常の2倍のコレステロール値になりますので、男性では30歳頃から、女性でも50歳ぐらいから心筋梗塞を発症します。

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